2013年12月10日

私は、父の土地の上に自宅を建てて住んでいます。このたび、市の収用事業によって自宅が収用され、土地の対価補償金2億円を父が、建物(取得費1,000万円)の移転補償金1億円を私が、それぞれ受領しました。私は建物を取り壊し、違う市に引っ越すことに決めて、土地と建物の購入を行いました。土地が2億円、建物が8,000万円の合計2億8,000万円という購入価額でした。このような場合、私は一組法により土地と建物の両方を代替資産として、収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例の適用を受けられますか?

名義人ごとに、代替資産に当たるかどうかの判定を行います。あなたが新たに取得した8,000万円の建物は代替資産に当たりますが、2億円の土地は代替資産に当たらないということになります。
 そのため、あなたが、建物の譲渡益9,000万円のうちで、課税の繰延べの適用を受けるのは7,200万円で、その年の確定申告により納税するのは1,800万円であるといえます。

1.代替資産の範囲
 個別法・一組法・事業継続法のいずれかの方法によって、収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例における代替資産に当たるかどうかを判定します。収用等に伴い受領した補償金のうち、代替資産の取得に用いた部分の金額は、課税の繰延べの適用を受けられます。
 土地と建物というように区分の異なる2以上の資産で一つの効果を有する一組の資産により判定をする方法のことを、一組法といいます。この方法では、同一所有者の資産のうち効果が同一である一組の資産は代替資産に当たりますが、別の人(ご質問の事例では父)が保有する資産と併せて一組となっているものは代替資産に当たりません。
 それゆえ、あなたは、一組法では新たに取得した土地と建物の両方は代替資産とすることはできませんが、個別法で建物を代替資産とすることは可能です。

2.具体的な譲渡所得の計算方法
 ご質問の事例では、どのように譲渡所得を計算するのかを考えてみましょう。(建物の譲渡のための経費等はなかったものとし、長期譲渡所得と仮定します。そして、建物移転補償金は、建物を取り壊したことから、対価補償金として取り扱われることとします)。
A収入金額:建物移転補償金1億円-代替資産の取得価額8,000万円=2,000万円
B取得費・・・1,000万円× (建物移転補償金1億円-新建物の購入価額8,000万円)/建物移転補償金1億円=200万円
C譲渡所得・・・A-B=2,000万円-200万円=1,800万円
譲渡税・・・C×20%=360万円(所得税270万円、住民税90万円)
代替資産の税務上の取得価額:新たに購入した代替資産の取得価額に関しては、譲渡資産の取得価額を引き継ぎ、具体的には、次の通り計算します。代替資産は、譲渡資産の取得価額を引き継ぐことにより、譲渡した場合に、繰延べの適用を受けていた税金がかかることとなります。
              譲渡資産の取得費1,000万円× 新建物の購入価額8,000万円/建物移転補償金1億円=800万円

なお、平成25年1月1日から平成49年12月31日までは、復興財源確保法に基づき、所得税のほか、復興特別所得税の課税が行われます。ゆえに、本問については、税率が所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計20.315%になります。
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2013年09月19日

所有者が異なる際の特例の適用要件を教えてください

所有者が異なる場合の特例の適用要件は、次のようになっています。ただし、一定の要件について満たしていることが条件となっていますのでご注意ください。
買換え資産については以下のようになります。
  (1)これらの者が得た資産は、その居住の用に供する一の家屋または当該家屋とともに得た当該家屋の敷地の用に供する一の土地などで国内にあるものであること
  (2)家屋または土地などはこれらの者のそれぞれが、おおむねその者の譲り渡しにかかる譲渡収入金額(当該家屋の取得価額または当該家屋および土地等の取得価額の合計額が譲渡家屋および日譲渡敷地の譲渡収入金額の合計額を超過するときには、それぞれの者にかかる譲渡収入金額に当該超える金額のうちその者が支出した額を加算した金額)の割合に応じて、その全部または一部を取得しているものであること。
  (4)当該取得した家屋は、買換え資産をその居住の用に供すべき期間中に譲渡家屋の所有者が譲渡敷地の所有者とともにその居住の用に供しているものであること
  (5)当該取得した家屋または土地などは買換え資産の取得期間中に得たものであること
譲渡資産については以下のようになっています。
  (1)譲渡敷地は譲渡家屋とともに譲渡されているものであること
  (2)譲渡敷地の所有者の譲渡家屋における居住期間が10年以上であること
  (3)譲渡家屋はその譲渡時に当該家屋の所有者が譲渡敷地の所有者とともにその居住の用に供している家屋(当該家屋がその所有者の居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されたものである際には、その居住の用に供されなくなったときの直前にこれらの者がその居住の用に供していた家屋)であること
 所有者については以下のようになっています。
  (1)譲渡家屋の所有者と譲渡敷地の所有者とは、譲渡家屋および譲渡敷地の譲渡時(当該家屋がその所有者の居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されたものである際にはその居住の用に供されなくなったとき)から買換え資産をその居住の用に供するべき期間を経るまでの間に親族関係を有し、また生計を一にしていること
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2013年07月09日

譲渡損益調整資産の譲受法人の適格合併による解散に際して、譲渡損益の繰延処理を継続する方がいいのでしょうか?

グループ会社内の適格合併による解散に際しては、譲渡法人は譲渡損益の繰延処理を継続することが必要となります。グループ会社以外との適格合併に際しては、譲受法人は譲渡損益を認識します。

譲渡損益調整資産に係る譲渡損益について課税の繰延制度が適用された場合において、その譲渡損益調整資産の譲受法人が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(いわゆる「適格組織再編成」)によって、合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人(いわゆる「合併法人等」)に、その譲渡損益調整資産を移転したときには、その合併法人等がその譲渡損益調整資産の譲受法人とみなされ、引き続き譲渡損益に係る課税の繰延制度が適用されるとの規定があります(法人税法第61条の13第6項)。すなわち、このときは、繰り延べした譲渡損益の計上事由に該当しないといえます。
こうして譲受法人たる地位が引き継がれる適格組織再編成は、合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人等が譲受法人との間に完全支配関係があるグループ会社内の適格組織再編成のときに限定されます。
グループ会社以外との適格組織再編成が行われたときや非適格組織再編成が行われたときは、譲受法人は譲渡損益を認識します。
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